わたしのお仕事論

あの3.11からずっと、心に残っている風景。そしてこれからのこと。

今日から啓蟄。

啓蟄(けいちつ)とは、土中で冬ごもりをしていた生き物たちが目覚める頃のこと。生き物たちは久しぶりに感じるさわやかな風と、麗らかな春の光の中で生き生きとしています。

ー 暦生活 啓蟄

二十四節気で『3月5日〜3月19日頃』を、こう呼んでいます。

10年前の啓蟄のころに

10年前の啓蟄のころ、2011年3月は、多くのみなさんの心に身体に思考に感情にさまざまなことが刻まれていると思います。

わたしはあの3月11日、授業を受け持っていた高校の卒業式でした。

通信・単位制の高校で、どちらかというと学校に苦手意識を持っていたり、行きたくても行けない事情があったりする、そんな生徒たちが集まっている高校で、

わたしは、美容やからだのしくみの授業を担当しながら
「勉強っておもしろいこともあるよね」
「こんな将来もあるよ」
「っていうか、わたしも高校行けてなかったけど、こんなオトナになって人生なかなか楽しんでるよw」
「自分のこと知るって、楽しいよね♪」
なんてことを伝えていました。

中学校に1日も通えていなかった子が、スキンケアの授業を受けたきっかけで「美容部員になる!!」と進学を決めたり
人と向き合うことが怖いと言っていた子が、解剖生理学の授業をうけたことで「柔道整復師になる!」と進学を決めたり

もちろん、まだもう少し自分自身と折り合いをつけたいという子もたくさんいたし、卒業に必要な授業にはなかなか出てこれない子もいたけれど
彼らに教えるという仕事を通じて、わたし自身が教えてもらったことの大きさを今になっても感じています。

そんなみんなの卒業式。

そもそも卒業式へ、3年生だけではなく1,2年生もちゃんと出席できていることに、
過ごした環境の大切さを感じてジーンとしていた卒業証書授与式の真っ最中、その衝撃は起きました。

たまたま立っていたわたしは、いち早く衝撃を感じたようで、気づいたら大きく重い扉を開けようとに外に向かって走っていました。
そして窓まで開けて、向かいのアパートにお住まいのおばあちゃんに「大丈夫ですかー!!」って叫んでたけど、窓の近くは危ないよ >自分(苦笑)

生徒たちの中には、突然の出来事にパニックになってしまう子も多かったので、会場に戻ると椅子の下で固まっていたり過呼吸になっている子がいたり。

そんな中、ふと扉の方見ると一人の男子生徒がしゃがみこんでいました。

「おぉぉ!大丈夫?!立てる??」

と聞くと、首を振って何も言いません。
もともと話をすることがなくて、声を聞いたこともほとんどなかったのですが、頑なにそこから動こうとしない様子に
(これは、怖くて動けないんじゃないのかな??)
と思いつつも、余震もあるのでできれば安全なところに誘導したいな…と近づいてみると

一生懸命に重たい扉を押さえてくれていたのです。

他の先生たちが、扉を押さえながら大声でみんなに声をかけているのを見て、
自分にできることを考えて…いや、多分考えてはいないんだろうな…本能的なものなのか何なのか行動してくれたのだと思います。

とはいえ、安全な場所ではないので
「ありがとね!みんなのために、扉を開けてくれてたんだね!助かったよ~~」
と、体をさすりながら話しかけてみると、何度も頷く彼の肩はやっぱり震えていました。

揺れが少し収まって彼も落ち着いて、みんなと一緒に避難を開始しましたが、その姿は今でもはっきりと心に残っています。

あれから10年、ずっと心に焼き付いている今

あれから10年。

あの日、晴れ晴れしく卒業をするはずだった3年生が、避難するためにロビーで待つ1,2年生のところに来て

「なんか、ごめんねー卒業式がよくない思い出になっちゃったよねーでも、来てくれて本当に嬉しかったよ!ありがとねー!!」

と、自分も怖いであろうに努めて明るく、全員に声をかけながら歩いていたこと。

他にもいろんなことがあったし、そもそもわたしの経験はこうしてブログとして書けるほどに昇華された思い出でしかありませんが、
10年経った今でも、扉を押さえてくれていた生徒、後輩に声をかけていた生徒の姿が心に焼き付いて離れません。

そして、あの扉を押さえてくれていた彼も、その後無事に卒業したと伝わってきました。(わたしはその年度で退職をしてしまったので、見送ることができず…)

常々、「これからのこと」について思いを馳せがちなわたし、
オバフォーになってますます「これまでの自分がこれからの自分が、社会にできること」を考えることが多くなってきました。

相変わらずのすったもんだをしつつではありますが(笑)
何はともあれ身体が資本!!と、漢方や中医学で根本からケアをしたり勉強をしたり、パーソルトレーニングをはじめたり、
パラレルワーカーを卒業しようと思って、お仕事やできることの整理をしてみたりする中で、

ちょっとじっくりとした取り組みになりますが、歩んでいきたい道への光が見えてきました☆彡

そんな道があるということに、今まではまったく微塵も考えたこともなくて寧ろ気づいていなかったのですが、
なぜかこのタイミングで「そんな方向もあるのか!!そうか!!!」と初めて気づいた時に
あの10年前の2人の姿がパッと思い浮かんで、道を見せてくれたような感じでしょうか。

まさに、啓蟄の感覚。

土中で冬ごもりをしていた生き物たちが目覚める頃のこと。生き物たちは久しぶりに感じるさわやかな風と、麗らかな春の光の中で生き生きとしています。

今、どこでどう過ごしているのか知る由もありませんが、
この10年ずっと心に残っていて、今では迷った時の道しるべにもなっているようなあの日の2人に、感謝と敬意をもって歩きだしてみようと思います。

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セラピスト|サポーター ◆にこやかにすこやかに、わりと愉しく暮らしています。 ◆美味しいものと美しいものに目がない、ひよっこオバフォー(over40s) ▶▶さらなるプロフィールはこちらから
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